「会津」との出会いのきっかけは何ですか?
私と「会津」の出会いは、郡山に行った際、ホテルに宗像窯の七代目宗像亮一さんの作品が置いてあったことがきっかけです。大きな花瓶から小さな箸置きまでが揃っていて、とてもすばらしい作品だったので一度ぜひお会いしたいと思い、ホテルの支配人さんに紹介してもらい、会津美里町の本郷の宗像窯を訪ねたのが始まりです。
それ以来20年ずっと宗像窯とは交流があり、今では宗像さんの作品を150点程所有するまでになりました。飯碗も宗像窯のものを使用していますし、和食器はほとんど宗像窯で揃えています。
このように宗像さんと交流する中で、会津(会津美里町)のことを深く知っていくことになりました。
会津産コシヒカリを選ぶ理由を教えて下さい。
会津産コシヒカリは、粒は小さいですが凝縮した美味しさを感じることができて、毎日食べるお米としては、トップレベルのお米だと思います。近年温暖化がすすんでいる中でも、会津地方はまだ寒暖差が激しいので、最もおいしいお米ができる土地であることは間違いないです。
会津産コシヒカリの最大の特徴は冷えても美味しいところです。炊きたてであれば、どのお米もある程度美味しいです。私はもともと常温のご飯が好きなので、会津産コシヒカリは私の好みのお米であるといえます。塩鮭なんかは冷えたご飯の方が合いますから最高ですよ。
会津産コシヒカリにおすすめのご飯のお供はなんですか?
ご飯のお供と言えば、会津の名産品に「鰊の山椒漬け」がありますね。これを少し炙って食べると、ご飯が何杯でも食べられます。(笑
同じく会津の食べ物でいえば、ご飯のお供とは少し違いますが、高田せんべいを砕いてお茶漬けで食べるのも美味しいです。
あとは、冷えても美味しいので、おにぎりにしてもいいですよね。私はハワイで食べられている「スパムむすび」が好物で、押し型も持っていて自分で作っています。
【ニシンの山椒漬け】
山椒の葉と身欠きニシンを交互に重ね合わせ、酢としょうゆ、酒や砂糖を加えて漬け込んだ、会津の郷土料理のひとつです。
【高田せんべい】
会津高田地区に伝わる、醤油が香ばしい高田せんべい。地元産のコシヒカリを使い、七輪で一枚ずつ手焼きするこだわりの手法は、今も変わらず受け継がれています。
会津産コシヒカリを食べる上でのこだわりポイントは?
まず、お米は土鍋で炊くのが一番です。時間をかけずに驚くほど簡単にツヤツヤの美味しいご飯を炊くことができます。
食べ方としては、先ほど申し上げたように、私は常温のご飯のほうが好きなので、炊きあがってから20分程おいてから食べるのがおすすめですね。会津産コシヒカリの美味しさを一番感じて頂ける食べ方だと思います。
自宅に精米機がありますので、食べるときは都度精米して食べています。たまに面倒だなと思うときは、近くの精米してくれるお店に行くこともあります。5kg単位で精米してもらって、近所の方におすそわけしたりもします。
また、お米そのものだけでなく、食器なども大切だと思っています。例えば、箸置き一つでも食卓の雰囲気が変わるので、朝昼晩と変えています。その時期らしい箸置きなど、季節毎に変えるのも良いですね。箸を箸置きに置くそのひと手間で、食事の時間が大切な時間になり、丁寧な気持ちで生活ができるようになります。
ぜひ、会津産コシヒカリを、ご飯のお供と一緒に食べ、飯碗、箸置きなどの周辺の道具にもこだわって、「食」を豊かにして頂けたらと思います。
立教大学経済学部卒業後ホテルオークラに入社。ホテルの情報システムの草分けとして活躍。システム開発室長として、他ホテルへシステムを販売するなど業界のシステム化に貢献。取締役社長室長時代には都市ホテルとしては世界で初めてISO9001の認証取得を指揮。常務取締役・ホテルオークラ東京総支配人兼務、ホテルオークラ新潟社長、芝パークホテル社長・会長、藤田観光副社長・事業本部長、フォーシーズンズホテル東京総支配人を兼務する。現在は、NPO法人観光情報流通機構理事長、国連CEFACT日本委員、目白大学、筑波学院大学で客員教授として、地方自治体の観光政策策定にかかわるなど、ホテル産業のみならず広く観光促進の分野で活躍中。